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☆SMK英語情報局☆ 第61回 “Moby-Dick; Or, the Whale” の巻

こんにちは、SMK英語情報局です☆

12月も半分をきり、今年もあとわずか・・・

時が過ぎるのは本当に早いですねえ。

今年もいろいろなことがありましたが、みなさんはどんな1年だったでしょうか?

わたしは初めてのことにチャレンジする機会が多く、

新鮮な年だったなあという印象です!

今年の初めのころは、スタンプラリーのため図書館の本を読み漁っていましたが、

そのとき読んでいた中にメルヴィルの『白鯨』がありまして、

偶然にも、この小説についての講演が12/14の英文学会で行われました。

わたしもビデオ撮影のため参加していたので、ちゃっかり楽しんでお話を聞いておりました。

というわけで今日のテーマは、

Moby-Dick; Or, the Whaleです!

 

みなさんは Moby-Dick; Or, the Whale白鯨』をご存知でしょうか?

アメリカの Herman Melville の大作で、

超簡単にざっくりと説明すると、

人間が巨大な白い鯨に復讐をしようとするお話です。

こんなに簡単にまとめましたが、

とてもながーーーい小説です。

もちろん日本でも翻訳本があり、文庫にもなっていて、

たいていは上・中・下巻に分かれているくらい長いです。

この『白鯨』について、今回の英文学会では

関西学院大学文学部教授橋本安央先生にご講演いただきました。

DSC01635

白鯨』は途中で読むのを断念してしまう読者が多いと言われていて、

橋本先生も、5回挫折したとおっしゃっていました。

かくいうわたしも、春に上巻を読み、休憩に他の小説を読んで、

そこからまた他の小説へと旅立ってしまい、

最近になってやっと中巻へと戻ってきたところです・・・。

戻ってきたので挫折とは認めていないのですが・・・。

挫折の理由はひとそれぞれだと思いますが、

先生によると第1の挫折ポイントは物語の初め、

それも初めの初めのところ、ということです。

白鯨』ではまず登場人物が出るより先に、

「鯨」の語源の紹介と、各語で「鯨」がなんと言うかの紹介、

そしていろいろな文や物語の鯨について書かれている箇所の引用があるのです。

しかも結構な量で、なかなか登場人物がでてきません。

なんだかよくわからない・・・もう読むのやーめた、

となってしまうのもうなずけます。

 

わたしも初めて読んだとき、海に出るところから始まるのかと思っていたら

いきなり鯨の語源がでてきて、出鼻をくじかれましたのを思い出しました。

だってあらすじで、イシュメイルという人が乗り込んだ船は

エイハブ船長という人の船で、そしてそのエイハブ船長は、

過去に自分の足を奪った白鯨への復讐に心を燃やしている

という情報を得ていたのに、そんな話はなかなか始まりそうにない・・・。

まさに、「脱線」ですよね。

このような「脱線」がいくつもあり、それが読者の挫折ポイントになっているようです。

しかし、この「脱線」たちは物語の「よこ糸」となり、

たて糸」である「鯨を追い復讐する」ことと合わさることで物語が完成していて、

メルヴィルは織物としての物語というものを意識しているのだそうです!

橋本先生はこのほかにも、物語の「よこ糸」をご紹介してくださり、

今まで「どういう風に進んでいるのかわからない」と思っているだけだったのが、

ちゃんと組み合わさって重なって見えるようになり、

改めて『白鯨』のスケールの大きさに驚きつつも、続きが読みたくなりました。

 

下手をすると初めから挫折してしまうこの小説を、

橋本先生はアニメ映画の『バケモノの子』を介しながらご紹介くださいました。

細田守監督作の『バケモノの子』ですが、作中に『白鯨』が登場し、

また終盤では、主人公が心の闇から生まれた大きな鯨と戦うシーンがあります。

そのほかにも、『白鯨』のイシュメイルが孤児というように、

主人公の九太や一部の登場人物が捨て子、というように設定も同じで、

バケモノの子』は『白鯨』をただ劇中に取り入れただけでなく、

白鯨』を下敷きにした物語だったんです。

白鯨』を読んだことがなくても、

バケモノの子』を観たことがある方は多いのではないでしょうか?

わたしも、『白鯨』の存在は知っていましたが、

読んでみようと思ったのは『バケモノの子』がきっかけでした。

親しみやすいアニメの中に、こんな超大作の骨組みがこっそり埋められているなんて、

ちょっと驚きですね。

 

バケモノの子』は主人公のが心の闇から生まれたに打ち勝ち、

自分を捨てた父親と和解するシーンで終わります。

一方『白鯨』では、漂流していたイシュメイル

レイチェル号という船が救い出して、物語が終わります

白鯨』を下敷きにしているのに、ラストは違うんだな、

と思いそうになりますが・・・!

このレイチェルというのが「母」を象徴していて、

「母と息子の和解」を表現しているのだというのです!

というのもレイチェルRachel)という名前は、聖書にでてくる、

子を失くし嘆き悲しむ母親ラケルから来ていて、

そのレイチェル号が、捨て子であったイシュメイルを救出するからなんだそうです。

つまり、「父(神)」を見失い海をさまよう捨て子のイシュメイルが、

「母」によって救われる、ということになります。

探していた「父」ではなく「母」に救われる、というところに

なぜかわたしはひっかかり、懇親会の際に質問をさせていただいたのですが、

いろいろとご説明いただいたのち、

わたしが「『白鯨』にはたくさんのことがつまっているんですね」と言うと、

つまっているのはそうなんだけど、そう言ってしまうと意味がなくなってしまう

とのお答えで、もう深すぎて恥ずかしくなってしまいました。^^;

 

講演自体の時間は1時間半ほどだったのですが、

あっという間に感じるくらい充実していました。

わたしがなかなか『白鯨』を読み進められないのは、

注釈が多く、読んでいるといろいろな知識が流れ込んできて

呆然とすることが多いからなのですが、

今回のご講演でそれが一番の魅力なのだと気づくことができました。

英文学会に参加できなかった方も、

LLライブラリ講演会のDVDを観ることができるので、

ぜひ皆さんご覧下さい!

自分の興味のあるところを何回もじっくり聞くことができますよ♪

 

LLライブラリには、

文学作品を映画化した洋画のDVDもたくさんあるので、

興味のアンテナを広げるためにも、

ぜひご覧下さい☆

 

以上、第61回SMK英語情報局でした☆

 

編集:SMK